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2010.04.14  仲間だけに解る言葉?

小学校三年生の女の子が治療に来ています。

前転をしたら背中と首が痛くなったというのが主訴でした。

しかし、初診の時の彼女の顔は暗くて、ろくに話もしない子でした。

普通の子供に見られる明るさが無いのです。

もしかしてと思って、聞いてみると、学校にはあまり行かず、行っても半日で帰ってきたりしているみたいでした。椅子に座っていると気持ちが悪くなるというのです。

ランドセルも気持ち悪くて背負えないので、学校へは手提げを持っていくとの事でした。体を見ると何処を触ってもくすぐったがり、筋肉がぱんぱんに張っています。

骨盤の曲がりもあります。

これでは学校に行きたくなくなります。

私は一緒についてきたおばあちゃまにお話しして、「背中や首の痛みはすぐ治りますが、この体はきちんと治してあげないとかわいそうです。少し通ってください。」とお願いしました。

施術が始まって、一回ごとに顔が明るくなり、自分から話しをてくれるようになりました。

ところが・・・・・。

彼女の言葉が分からないのです。

文章になっていないのです。

例えば「昨日は体どうだった?」

「足がぐしゃぐしゃだった。」

「ぐしゃぐしゃって良く解らないなぁ。痛かったの?」

「痛いのはなかった。バラバラな感じ。」

「バラバラも解らないなぁ。何をしたらどうなったの?」

「お蒲団が上から落ちてきたらぐしゃっとなった。」

「落ちてきたらぐしゃっとなって足が痛かったりしたの?」

「痛いんじゃなくて、いつもならお蒲団を支えてこらえるのに、それができなかったの。」

「足に力が入らなかったってこと?」

「じゃなくて転んだだけ。」

毎回こんな調子で、結論を手繰り寄せていく作業が必要でした。

彼女が元気になって、学校に行ってもちゃんと座っていられて、ランドセルを背負っても気持ちが悪くなくて、背中も痛くなくて、首も痛くないのだから、これ以上望む事はないのですが、何となく心に引っかかりを残したのです。

全部が全部ではないでしょうが、彼女達の会話は、日常的にこんな感じでも、何となく仲間には理解できる世界なんでしょうね。

杉並区久我山 松本整体

投稿者 matsumoto (16:06) | PermaLink
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