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2008.05.13  忘れられない患者さん 

 松本整体のコラムに「忘れられない患者さん」を書いたことがあります。
今回は別の患者さんの話です。
 今日のお昼頃「今日予約できますか」という電話があり、ちょうど5時が空いていたので、そこにお入れすることになりました。
松本整体の治療には「靴下、ショートパンツ、Tシャツ」を持ってきていただきますので、それをお知らせするのに、「ホームページをご覧になってお電話して下さったんですか?」とおききします。ホームページを見てくださった方は大抵持ち物のページも見て下さっているからです。ところがその電話の方は「知り合いに教えてもらったので。」とおっしゃるので、では持ってきていただくものをお知らせします。と言って持ってきていただくものを説明し、5時においでになるのをお待ちしていました。

問診表を書いていただいて、「どなたのご紹介ですか? 」とおききしたところ、「いとこのK.Kから紹介されました。」との事。このいとこさんも8年前ぶりに昨年来院されました。このいとこさんに紹介されて9年前にいらっしゃったのがこの2人のおじい様(Mさん)で、今日の主人公の「私の忘れられない患者さん」なのです。
この方(Kさん)のおじい様(Mさん)は9年前に87歳で来院されました。Mさんは大垣市に住んでいらっしゃって、ご自宅からバスで大垣駅まで出て、大垣から電車で岐阜まで行き、そこから新幹線で東京まで来て、中央線と井の頭線に乗って当院までいらっしゃるのです。治療が終わると日帰りでそのままお家に帰られます。それを2週間に一度5か月続けられました。すごいでしょ? 普通このくらいの年齢でこの距離の移動なら付添があります。まだすごいのは、80歳で心臓のバイパス手術もしていらっしゃいます。心臓のバイパス手術をこの高齢でするのはすごいことなのです。この年齢と体でこんな遠くまで通って下さるなんて本当に申し訳ないことです。
 治療をしながらいろいろお聞きしたところ、会社を二つ持っていらっしゃって、とてもお忙しそうでした。
「実は最近、突然息子を亡くしました。息子が今まで会社を仕切ってくれて、わたしは助ける役に回っていたのですが、息子が亡くなってしまったので、また私が主になってやらなければならなくなったんです。息子の子供がまだ小さいのでその子が私の仕事を継いでくれるまで頑張らなくてはいけないんです。」とおっしゃっていました。
その気力がこの年齢以上のエネルギーを出していたのでしょう。私は心から「すごい方だなぁ。」と思いました。
そして昨年、おじい様とほぼ同じ頃いらしてたK.Kさんが8年ぶりにおいでになったので、「おじい様はお元気ですか?」とお聞きしたら「5年前に亡くなりました。」との事。なんでも梯子から足を踏み外して落っこちてしまい打ち所が悪くて亡くなられたとのことです。
わたしはとてもショックでした。
そして今日、そのMさんのもう一人のお孫さんが来院されたのです。
MさんとKさんの苗字が同じなのですが、住所が埼玉県なので、
私   「Kさんのお父さんはMさんの二男さんですか?」
Kさん 
「長男です。」
私   「じゃあ、おじい様のお仕事は二男さんが継がれたんですか?」
Kさん 「いえ、長男です。」
私   「えっ。そうすると、小さいお子さんを残して亡くなられた方って、K           さんのお父さん?」
Kさん 「そうです。」
私   「じゃあ、おかあさんと大垣から埼玉にお引っ越ししたの?」
Kさん 「いえ、家は大垣にあります。母も亡くなったんです。」


わたしは唖然としました。今までの話でKさんのお父さんが亡くなったのがKさんが小学生の時。お母さんはおじい様が亡くなられた次の年に突然死をされたとの事。Kさんは17才で独りぼっちになってしまったことがわかりました。
Kさんの人生がこんな風になるなんて、9年前には想像もできないことです。おじい様のMさんもさぞご無念だったでしょう。そしてKさんのお母様も、どんなにかお心残りだったでしょう。
でもお母さんの死という悲しみを乗り越え、Kさんは大学に無事合格し、埼玉県で学生生活を送っていらっしゃいます。おじい様のお顔の面影がなんとなく残っているKさんが、これからいろいろ起こる出来事を乗り越え強く生きていって欲しいと心から思います。

松本整体 久保田昇子

            
   

投稿者 matsumoto (19:31) | PermaLink
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